仕事中、ゆうからメールが来た。
「事件発生！食器棚の足場が壊れて廊下側に落下。食器の8割方が粉砕されてｼﾏｲﾏｼﾀ」
『Σ（￣Д￣；ﾅﾇｯ』
メールを見て驚いたオレは心配になったので仕事をちょっと抜け出し、ゆうに電話をしてみることにした。数回コールするとゆうが出たので話を聞いてみると、ゆうも母も怪我はまったくなく、特に問題はないとのことだった。割れたのは残念だったけど怪我も何もないならまぁいいかとほっとするオレ。そんなオレにゆうが話を切り出してくる。
「お皿少ないから新しいの買ってもいいよね？」
そこで気付く。あぁ…ゆうは悲しんでなんかないんだな、と。基本的にゆうは可愛いお茶碗とか食器を見るのが好きでショッピングのときやデートのときもお茶碗があれば覗きに行き、「これ欲しいな」的オーラをまとった目でコチラを見てくる。オレはそんなゆうの視線を断絶し、家にあるでしょとか、来年引っ越すんだから荷物は増やさないようにしようねと言いながらゆうをなだめてきていた。
…が。今回はゆうが仕掛けた罠かは分からないにしろ、食器の大半が割れてしまったのは事実。仕方なく「いいよ」と答えるとケータイの向こうですごい嬉しそうな声で「やったー」と叫ぶゆうの声が聞こえてきた。
なんか無性に腹が立つが、仕方ない。たまにはゆうに好きなように買わせてあげようと思って電話を切った。
家に帰ってみると割れた食器が入ったビニール袋が玄関に置いてあった。正確な枚数は分からないけど、以前母にもらった可愛い夫婦茶碗もろともほとんど割れてた。ちびギャラは悲しいけどNANAの苺グラスは違うところに置いていたので今回の被害に遭ってはおらず、割れていなかったので良かった。
ご飯を食べる前に今回新しく買ったご飯茶碗を見せてもらった。今回のお茶碗はゆうと母の２人が「買うならコレかな」と意見が一致したものらしい。どんなものなのかなと思いながら箱を開けてみると綺麗な桜のお茶碗。しかも珍しいことに桜の花びらの部分が全体より薄くなってるようで、光にかざすとその部分から光が洩れる。
お茶碗でこの技術は初めて見たのでかなりびっくり。割れたのは悲しいけど、こういう新しい出会いがあるのはやっぱりいいですね～。…って、こんなこと言うとゆうが「じゃあもっと買ってもいい？（＾－＾*」的オーラをまとった目でコチラを見てくるからそこまでは思いませんが、でもまぁお茶碗は気に入ったのは確かなのでそこだけ認めておくことにします。
とにかく、なるべく割らないようにしてもらいたいものです。怪我しちゃったとか、何かあってからじゃ遅いしね。。
