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初めての献血体験。 @きぃ

バスのトラブルで帰りが遅くなってしまったゆうを迎えに、オレは新宿へ向かってました。


10時には着く予定と聞いていたのだけど、準備をしていたためにちょっと遅れてしまいました。なんの準備かと言うとおにぎりの準備。夜行バスに乗ったあとは食欲よりも睡眠欲が勝つ場合がほとんどなのですが、ゆうのメールから察するにけっこう起きているなと推測。そのためおなかが空いてるんじゃないかと思い、作ってみたのです。
新宿では懐かしく思えるようなゆうの顔を改札を出る前に見つけて一安心。改札を出たあとは走ってゆうの元に向かっていき、出た言葉が「ただいま~(><」の台詞。笑うゆう。「開口一番で天然ボケ炸裂させないでよ(笑。私の台詞だよそれ~」と言いながら満面の笑み。「だってオレが走っててゆうが待ってるからさ~」と言いながらオレも満面の笑み。
 
待ってたこの時間。約1週間とは言え、遠距離恋愛経験者とは言え、つらかった時間に差なんてない。手を繋ぎ、ゆうの感触と温もりを感じながら新宿の街を歩くことにした。
歩き始めてすぐにゆうがおなか空いたということで準備していたおにぎりを渡す。「遅れた理由はおにぎり作ってたからなんだ」と言うとゆうは笑って喜んでくれた。嬉しかった。
ゆうがLOFT(ロフト)行ってFOSSIL(フォッシル)の腕時計の電池交換したいということで2人はLOFTへ向かう。
 
道中、おもしろいのを見かける。
献血大ピンチ

よく見る献血の看板なのだけど書いてるのが「ピンチ」とか「大ピンチ」。AB型にいたっては「超ピンチ」ということでよほどのことなのだろうと2人で笑いながら解釈。
注射とか注射とか注射とかが嫌いなオレは献血大好き人間のゆうの誘いにしぶしぶ頷き、あとで献血センターに行くことになった。
 
LOFTで電池交換してもらい、高島屋で昼ご飯を食べ、ゲーセンでモモンガのぬいぐるみを取ってプリクラを取り、時間はいつのまにか16時過ぎ。そろそろ行こうかと言うことで先ほどの献血センターへ向かう。
大ピンチとか言う割りには中はけっこう混んでた。静かな雰囲気だろうというイメージは木っ端微塵に破壊され、戸惑いながらも受付を済ます。
アンケートに答え、血圧を測り、献血できるかどうかのチェックをする。このチェックでゆうはよく引っ掛かるらしく、献血を断られるらしいのだけどオレの結果は「とっても濃いですね」と看護婦さんに満面の笑みで言われた。ここでちょっと恥ずかしくなるのは男の性かオレだけなのか分からないけど、「濃いのか…」と思いながらゆうのもとへ。話を聞くとゆうはギリギリセーフだったらしくてなんとか献血できるようだった。
 
トイレに行って水分を取ってから後ろの席で待っててくださいと言われたのでオレはその通りにし、ゆうと一緒にしばし待つ。先に呼ばれたのはオレだった。靴のまま椅子に寝転がり、テレビのチャンネルを変えてもいいということで1つ1つ変えてはみたものの、特におもしろそうなものがなかったのでゴルフ番組にセット。
あーちょっと緊張するなぁと思いながら待っていると注射針を持った看護婦さんが現れ、手際よく作業を進めていく。血管が奥にいったのか細いのか分からないけど「初めてで緊張してるんですね~」と気持ちを和らげる台詞を飛ばしてきたが、オレはオレで「なんでエロイ台詞しか言わないんだろう」と全く関係のないことを考える始末。
そんなバカなことを考えているうちにも看護婦さんの手際よい作業が進み、いつのまにか献血用注射を持った看護婦さんがオレの腕の中に針を刺していった。そんなに痛く感じなかったオレは400mlということでけっこうかかるんだろうなと思考を変えて適当に待った。
 
…数分後。
「はいもう終わりですね~」と言われる。
え?もう終わり?とキョトンとしていると「はいおつかれさま~終わりですよ~」と優しげな声で話しかけてきたおばあちゃん看護婦が隣にいた。
「え?もう終わりなんですか?受付で1時間くらいかかるって聞いたんですが」と聞いてみると、あ~全部で1時間って意味だと思うわよ~とおばあちゃん。そしてさらに「あなたは濃くて早くて献血にもってこいの人よ」と言ってきた。どうやらそれは本当らしく、献血の猛者であるゆうでさえも「きぃさんめちゃくちゃ早いよ」と驚いている。
周りがどう思おうが本人は適当で、そうなんだ~と思いながらオレは控え室の方へ歩いていった。
 
ちなみにオレが終わったあとに呼ばれたゆうは200mlでオレの半分だったけど、時間はオレと同じくらいかかってた。一緒におかし食べながら本を読み、30分以上経ってから家に帰る。お互い疲れてたせいか、家ではゆうとハグしながらいつのまにか寝ていた。
 
そして今日。朝8時に起床。11時間ぐらい2人とも寝ていた気がする。初めての献血体験だったけど献血にもってこいの身体だと分かった以上、ゆうにはこれからも連れてかられそうな気がした。まぁそれでもいいかなと思った。