バレンタインデー当日、夜。
23時過ぎ。
ゆうからバイトが終わったとの連絡が来たので迎えに行く。平日は某大型スーパーで働いており、帰りが遅いので迎えに行けるときはいつも迎えに行くようにしている。
家を出て、まっすぐ向かうは従業員専用の駐輪場。着替えが終わった従業員が裏口から出てくるので、オレはただただじーっと待つ。
5分くらいすると見知った顔が現れる。ゆうだ。
「おつかれさま」と言って一緒に帰る。
そこまではいつもと変わらない光景であり、通常。
でも今日は違った。
バレンタインデーというイベントはまだ終わっていなかった。
家に着き、自転車を置く。
家はアパート。けっこう奥の方なので駐輪場から少し歩くことになる。まぁ少しと言っても10m程度でその10mの間にももちろん部屋はあった。空きではなく、ちゃんと住んでいる部屋だ。
その部屋の1つにバレンタインデーの欠片はあった。ドアノブに掛かってあるピンク色の袋。見た目で分かった。バレンタインチョコが寂しげにそこに掛かってあった。
それを見た瞬間、羨ましいなぁと思った。家まで持ってきてくれるなんて、もしあんな風にプレゼントが置いてあったら高感度上がっちゃうなと思う。ひさしぶりに片思いってやつを見させていただきました。ごちそうさまです。