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それは悪化か回復への道程か @ゆう

AM4:13
夢現(ゆめうつつ)に連続する咳を聞いていた。
何の音か、誰がしているのか、それが何を意味しているのか、頭が働かずにただただ私は夢のBGMとしてその音を聞いていた。


そんな中、ふいに私の名前を聞きなれた声が読んでいることに気が付いた。
その声が咳の合間に雑じって発された、弱々しく擦(かす)れたものだと認識したとたん、私は隣で寝てるはずのきぃさんの名を呼んだ。どうしたの?!というニュアンスを込めて。
けれどきぃさんは返事すらできずに咳き込み続けた。私はその咳の仕方で風邪の症状だと検討づけ、とりあえず仰向けになっていた体を横にさせた。時計を見る。4時13分。寝る前にも確かに咳はしていたが、こんなに酷くはなかった。なのに咳で目が覚めるなんて・・・。悪化しているのか、熱が引いた後の回復期に入ったのか、判断がつかない。
一旦止まってはすぐに咳き込むことを繰り返し、きぃさんは激しい喉の痛みを訴えた。すぐに医薬部外品の喉飴を口に含ませ、きんかん湯をカップに注ぎ、レンジで暖めた濡れタオルを喉に当てた。唾(つば)を飲みこむことすらひどく痛むと苦しそうに言う。
それでも空腹感があるのは私が眠ってる間にも、かなり咳き込んで腹筋を使い続けていたのが原因らしい。少し考えた末に、ブルーベリーの果肉入りヨーグルトを渡した。これなら胃の粘膜を保護するから朝まではもつだろうし、少量だから胃の負担も軽いだろう。冷えた喉には暖めた濡れタオルをあてがうことでカバーしよう。そう考えながらユーカリのアロマ瓶を手に取った。ユーカリには空気中のウィルスを殺菌する効能と、体内の免疫力を回復させる効能があるという。いつぞや知り合いの専門家がそう説明して私にくれたものだった。教わったとおりにユーカリの液をティッシュに2~3滴垂らし、枕元に置く。これで蒸発したユーカリの成分が空気中のウィルスを殺菌するらしい。そしてマスクにも一滴。そのマスクをきぃさんにつけさせる。ただし、香りがキツいので間にティッシュを一枚挟ませる。これで同じく気化したユーカリの成分がきぃさんの体内に入り、免疫力回復の助けとなるはずだ。そんなこんなできぃさんの喉に当てている濡れタオルが冷えないように暖めなおしたり、鼻をかむためのティッシュを渡したりとしているうちに小一時間が経過。次第に咳の回数と間隔が減っていった。
その事に気が緩んだ私はいつのまにか眠ってしまっていた。目が覚めたら7時過ぎ。慌てて体を起こしてきぃさんの様子を探る。やっぱり咳と喉の痛みは依然続いているらしい。それでも会社には出勤しないといけないのでとりあえず支度に取り掛かる。朝食の準備、お弁当の準備。仕事の進み具合と体調によっては早退も視野に入れようと話しあいながら見送った。久しぶりの後ろ姿。思考が鈍ってるはずだから注意力は落ちてるだろう。色んな場面で心配になる。
その後すぐ、きぃさんからメールが送られてきた。場所は電車の中。普段は平気な電車の揺れに酔ってしまったらしい。気持ち悪いと訴えている。とりあえずの対処法を送ったが、乗り物酔いの対処法に即効性なんか無い。気分を変えてやり過ごすことしかないのは乗り物に弱かった私自身、知っている。前途多難な1日の始まりだ。(-“-;)